ゴミ置き場の利用状況は、マンション居住者の管理運営意識をはかる指標であり、管理会社の管理能力が問われる部分でもあります。
居住する前に自治体とマンションごとの排出ルールを確認したいですね。
ゴミ問題について協議をする必要のない管理組合を目指しましょう。
分別
ゴミ収集業者は、分別されていないゴミを回収しません。
「管理員は分別してくれないの?」とよく言われますが、通常は管理委託契約外です。
ゴミの分別は管理員の仕事ではありません。
分別ルールは自治体によって大きく変わる部分ですので、自治体が発行するパンフレットなどで確認する必要があります。
各住戸にパンフレットを毎年配付する体制を整えるとよいでしょう。
収集日を守る
建物内にゴミ置き場があるマンションでは、常時ゴミを排出可能としている場合もあります。
管理組合のルールとして、ゴミの排出を常時可能としているかを確認します。
敷地にゴミ置き場が設置されている場合は、収集曜日に合わせた排出をする必要があります。
収集日の前日夜からの排出も可能とする管理組合もあるかと思いますが、当日朝にゴミを排出しましょう。
ゴミ収集曜日と粗大ゴミ排出方法はゴミ置き場に掲示するとともに、居住者入れ替わりに対応するため定期的に告知するべきです。
ゴミ排出ルールを守らないのは誰か
ゴミ排出のルールをどうやって守らせるかの議論をする際に、誰がルールを守っていないのかに焦点が当たる場合もあるでしょうが、先入観から決めつけるべきではありません。
ルールを守らない傾向がある住戸はどこか、寄せられる情報から判明することもあるでしょう。
マンションは居住者間の交流が希薄になりがちです。
しかし排出ルールを守らない住戸がどこかは管理会社(管理員)が知らなくとも、居住者が知っている場合は多いです。
交流の有無にかかわらず、監視の目はあるということです。
築年数が経ったファミリータイプのマンションにおいては、ゴミ問題が既に解決していることが多い一方で、賃借人が多いワンルーム投資マンションのゴミ置き場は荒れ続ける傾向もあります。
賃借人が守っていない、というのも先入観による決めつけになるのです。
管理組合による処理対応
ルールが守られない場合に、管理組合として取る第一段階の方法は注意喚起です。
注意喚起しても改善せず、分別しないために収集されなかったゴミや、処理シールが貼られない粗大ゴミはそのままゴミ置き場に滞留します。
最終的には管理組合で処理費用を支出して処理することとなるのですが、滞留するたびに今後も管理組合で処理することになりかねない危険があります。
ルールを守ることの意識付けを行うための啓蒙が必要でしょう。
防犯カメラの設置
「改善されなければ費用をかけてでも推し進めることになりますよ」といった切り口で防犯カメラの設置が議題に上がることも多いです。
総会決議により、ゴミ置き場内や出入り口に防犯カメラを設置することができます。
マンション外の人間にごみを投棄される場合には、ダミーカメラ設置や防犯カメラ撮影中のシール貼付だけでも検討する価値はあります。
ただしダミーカメラであることを組合員に知らせずに、理事会の判断で設置することは公平性から見てもすべきではありません。
ゴミ置き場の施錠
マンション外からの投棄対策として、ゴミ置き場の鍵は各自で施錠する、と定めることも一案でしょう。
しかし、ゴミ収集時に扉が解錠されている必要があるため、運用には注意が必要です。
管理員の勤務時間外にゴミの収集が行われる場合には、対応ができなくなってしまいます。
ゴミ置き場の利用改善方法
ゴミ置き場が荒れるのは、ゴミ置き場内が整頓しにくい状況であることも原因の一つです。
マンション建築時に自治体ごとの基準によってゴミ置き場を設置しているため、設置基準から外れないよう注意し、利用しやすいゴミ置き場に改良してみましょう。
棚、網の他、大型のゴミ箱(ゴミステーション・ゴミストッカー)を設置してゴミ置き場を整理する方法もあります。
びん・缶は自治体によって保管容器が指定されている場合がほとんどでしょう。ゴミの量に対して容器の数が適正かを調べて増設を検討してはいかがでしょうか。
換気システムが効果を発揮しているのかも確認しましょう。