管理費等の滞納問題について

組合運営

管理費等の滞納は、多くの管理組合が抱える問題です。

国土交通省の統計では以下のデータがあります。

管理費等を3か月以上滞納している住戸がある管理組合  37.0%

管理費等を1年以上滞納している住戸がある管理組合   15.9%

国土交通省 平成30年度マンション総合調査

規模に関わらず管理組合数の中の割合なので、戸数が多いマンションであれば滞納住戸がある可能性は当然に高くなります。

また同調査では、マンション完成年次が古いほど、滞納住戸がある管理組合の割合は高い結果となっています。

管理費を支払うのは当たり前のこと、と多くの人はわかっているはずなのですが、多くの滞納問題が発生しています。

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管理会社の対応

管理費の滞納が発生した場合の対応について、管理会社との管理委託契約で定められているので、確認しておきましょう。

以下は、標準管理委託契約書です。

(管理費等滞納者に対する督促)
第10条 乙は、第3条第1号の業務のうち、出納業務を行う場合において、甲の組合員に対し別表第1 1(2)②による管理費、修繕積立金、使用料その他の金銭(以下「管理費等」という。)の督促を行っても、なお当該組合員が支払わないときは、その責めを免れるものとし、その後の収納の請求は甲が行うものとする。
2 前項の場合において、甲が乙の協力を必要とするときは、甲及び乙は、その協力方法について協議するものとする。

別表第1 事務管理業務
(2) 出納(保証契約を締結して甲の収納口座と甲の保管口座を設ける場合)
② 管理費等滞納者に対する督促
一 毎月、甲の組合員の管理費等の滞納状況を、甲に報告する。
二 甲の組合員が管理費等を滞納したときは、最初の支払期限から起算して○月の間、電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法により、その支払の督促を行う。
三 二の方法により督促しても甲の組合員がなお滞納管理費等を支払わないときは、乙はその業務を終了する。

国土交通省 標準管理委託契約書
  • 管理費等の滞納1か月目
    請求書を送付します。
    以降、滞納が解消されるまでは請求書の送付を毎月続けます。
    口座に残高がないために引き落とされなかったことが組合員の不注意であった場合には、連絡すればすぐに支払ってもらえて解決するでしょう。
  • 管理費等の滞納3~6か月目まで
    滞納者に電話をかけ、事情を聞くとともに支払いを促します。
    また滞納者宅を訪問します。
    滞納者宅を訪問した際も、その場でお金を回収はしません。
    債権の回収は弁護士法に抵触する恐れがあるからです。
    管理会社の役割は、「督促業務」であって「回収業務」ではないことに注意してください。

契約内容によりますが、請求書の送付は続けるとしても、3~6か月で契約上の督促業務は終了します。

管理組合の対応

管理会社の督促業務の期間終了後、または並行して管理組合として対応します。

管理費等の消滅時効は5年です。

対応方法を理事会で協議し、管理会社と連携しましょう。

  • 支払念書の取り付け
    滞納者に支払いの計画を立てさせ、念書として提出させます。
  • 駐車場等の強制解約
    管理規約、使用細則に定められている場合は、理事長権限で可能です。
    滞納住戸が売却されたとしても、駐車場使用料等の未収分は次の所有者に承継せず回収できない場合があります。
    解約後の立ち退きに応じない場合も想定する必要があるでしょう。
  • 理事会役員が滞納者宅を訪問
    理事会全員である必要はありません。
    管理会社担当者にも同行してもらいましょう。
  • 遅延損害金の請求
    管理規約に定める年利により未払い管理費の遅延損害金を請求することができます。
    数か月の未払いの場合には遅延損害金を免除する管理組合も多いでしょう。
    法的措置の際にまとめて請求するなど、請求手順を決めておきます。
  • 内容証明書による催告
    内容証明郵便で支払催告書を送付します。
    この内容証明郵便による催告で、管理費の消滅時効の完成を一旦は阻止することができます。
    ただし、6か月以内に裁判上の請求を行わなければならないことに注意しなければなりません。
  • 法的措置
    支払督促、少額訴訟、通常訴訟などがあります。
    標準管理規約において管理費等の請求に関する法的措置は、理事会決議で行うことができるとされています。
    しかし組合員への問題の周知や予算の兼ね合いを考えて、総会決議を経てから実施する管理組合が多いでしょう。

滞納者になめられない

管理費等を滞納する人は、管理組合と管理会社をなめています。

お金がないと言っても、マンションのローンは払っているのですから。
住宅ローンの滞納なんて半年で一括返済を求められて、一年もすれば競売です。
管理費等を払わなくても、直ちに何か起きるとは思っていないのです。

管理組合の運営に不満がある、管理会社が気に入らないと言う理由で管理費を払わないと宣言する人も実際にいます。
管理費等の費用負担は区分所有者の義務なので、不満などという理由は関係ないですよね。

同じマンションの住人同士だし、督促も穏便に進めたいという意見は割とあります。
それもよいですが、期限を切って、やるべきことはやらないといけません。
滞納者が管理費の支払いを後回しにしている結果なのですから。

自分が管理費を払えなくなるほどの状況になるとは、マンションを購入する時点では考えないのでしょう。
しかし事情はあるにせよ、区分所有者である限りは管理組合に管理費を支払わなければなりません。

管理費が未収となれば、管理組合の運営に支障をきたします。

未収金が発生したといって会計上にすぐさま影響があるわけではありませんが、滞納せずに支払っている人から見れば許しがたいことです。

一時的な対処と捉えずに、今後も発生し得る未収を事前に抑制するためにも、管理組合は滞納問題に真剣に取り組んでいかなければなりません。

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